オーロラの歌
私のよりも高くて、可憐で、透明感溢れる声が、耳を通って、身体の奥にじんわりと響いてくる。
泣きたくなるのは、なぜだろう。
「琉美!」
導かれるように、振り返った。
先程まで誰もいなかった場所に、穏やかに微笑んでいるオーロラがいた。
オーロラの、エメラルドグリーンの髪が、ふわりと揺れる。
私は衝動に身を委ね、オーロラに抱きついた。
「オーロラ!」
これは、夢じゃない。
だって、確かに今、オーロラに触れている。
会いたかった。
会って、いろんなことを好きなだけ話したかった。
「琉美、ありがとう」
私が抱きしめる力を緩めると、オーロラは私の目の縁に溜まっている涙をそっと拭いてくれた。
「私の願いを叶えてくれて」
オーロラの小さな手のひらが、私の頬を包み込んだ。