オーロラの歌



こうなったら、開き直ってやる!



「ゼロさん、質問していいですか?」


「どうぞ」



私は瞳で、ゼロさんを射抜く。



「本当に、一億テラス集まったんですか?」



やっと、ゼロさんと目が合った。


重なる視線に、妙な気持ちになる。


なぜだろう。


懐かしさを感じるのは。



「さあ、どうでしょうね」



意味深な言い方をしたゼロさんは、私から目をそらした。



足元から伸びていく影が、虚しさを帯びる。


冷たい風が、私とゼロさんの間を横切った。



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