オーロラの歌



オーロラ、やめてよ。


気持ちだけで十分だから。



「そんなことしたら、もう二度と生まれ変われなくなっちゃうよ!?」



私とオーロラは、同じ魂を持つ。


けれど、「同じ」というのは、例えるなら、魂ごとに付けられた色のようなもので。


ひとつの魂を共有しているわけではない。


各々の世界に、各々の魂が存在している。


だから死んでしまったら、私の魂は私の世界で、オーロラの魂はオーロラの世界で、それぞれ生まれ変わる。



……オーロラ、歌わないでよ。


魂自体が消え失せてしまったら、新たな人生を歩めなくなる。


このまま天国にも行けずに、いなくなってしまうんだよ?


それでもいいの?



「……生まれ変われなくて、いいの」



一旦歌を止めたオーロラの目尻には、涙が浮かんでいた。


嘘つき。


優しすぎだよ。



「琉美を助けられるなら、それでいいの」


「私は嫌だよ!オーロラに消えてほしくない!!」



私は離れないように、オーロラの手を握り返した。


強く、強く。



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