オーロラの歌
「♪~~もしも笑えなくなって 君が苦しいと叫んだら 星達と共に歌を紡ぐよ~~♪」
手を握っている感触が、薄れていっている。
これが最後の歌だと、なんとなく思った。
「♪~~きっとあと爪先分だけ 踏み出したら出会える~~♪」
泣くな、私。
微笑みながら歌っているオーロラに、笑顔を返そう。
くじけそうになった時、孤独を感じた時。
私は、オーロラの歌を思い出して。
歌に込められた愛と希望を胸に、前を見据えて歩き出すだろう。
「♪~~世界の彼方で待ってる 眠っていた愛に囁こう~~♪」
歌ってくれて、ありがとう。
命を分けてくれて、ありがとう。
「琉美、最後にもう一回、名前を呼んでくれる?」
オーロラの望みを、喜んで叶えるよ。
「オーロラ!」
「琉美」