オーロラの歌
オーロラの姿が、存在が。
淡い光となって、散っていく。
「本当に、ありがとう」
気持ちを伝えたオーロラの魂が、目の前から消えてしまった。
けれど、不思議と悲しくはない。
私の命にオーロラが寄り添ってくれている、そんな気がするからだろうか。
オーロラの笑顔も温もりを優しさも、全部全部抱えて。
涙を拭って、はっきりと高鳴っている心臓に手を当てた。
瞬間、どこからともなく放たれた閃光が、私を包んでいった。
『琉美……!』
閃光の向こう側から、聞き覚えのある声が耳をかすめた。
愛しい愛しいその声に、表情を柔らかくする。
……あぁ、迎えが来た。
胸が、嬉しいと言わんばかりに締め付けられた。
「皆、待っていて」
奇跡を連れて、願いを受け止めて。
明日に続く今を、想いで溢れさせよう。