オーロラの歌
新たな始まりのためのエピローグ
ギュッ、と手を握られた。
痛いくらいきつい触覚に、目を開ける。
視界いっぱいに日光が入り込んで、眩しい。
「……る、み?」
「怜司くん」
隣に視線をすらせば、怜司くんが今にも泣きそうな顔をしていた。
怜司くんの隣に、江藤先輩とせっちゃん。
逆サイドに、利一くんと唯夏ちゃんがいる。
「江藤先輩、せっちゃん、利一くん、唯夏ちゃん」
私は上半身を起こしながら、皆の名前をか細い声で呼ぶ。
「ただいま」
笑顔を咲き誇らせると、皆が一斉に私に飛びついた。
皆に抱擁され、ちょっと苦しい。
だけど、それ以上に心地よくて、涙腺がたるむ。
「琉美せんぱあああい」
「ぼ、僕……っ」
「唯夏ちゃんも利一くんも、泣かないで」
一年生二人に揃って大泣きされて、私は二人の親になった気持ちで二人の背中をさすってあげた。