オーロラの歌
もらい泣きしてしまいそうだ。
鼻をすすった私の頭を、せっちゃんに小突かれた。
「心配かけんじゃねぇよ」
「せっちゃん、目が赤いよ?」
「は?目の錯覚か何かじゃねぇの?」
せっちゃんはそう言って、プイと顔をそらした。
せっちゃんも、泣いていたんだ……。
今告げるべきなのは、「ごめんね」じゃない。
「心配してくれて、ありがとう」
あと何百回言えば、この感謝の大きさを伝えられるのかな。
ふと、江藤先輩にじっと見られていることに気づいた。
「え、江藤先輩?」
「……夢じゃ、ないんだよな?」
「うん、夢じゃないよ」
私が朗らかに返事をすると、江藤先輩の頬をいくつもの涙が滑った。