オーロラの歌
藍色と茜色のグラデーションの空を見上げながら、静やかな帰り道をたどる。
隣の怜司くんは、黙ったまま。
落ち着きすぎている雰囲気に、くすぐったくなる。
「……約束、」
「え?」
「破られたかと思った」
急に立ち止まった怜司くんが、瞳で私を捉えた。
カサついた風が、横切る。
「約束通り、生きてるよ」
私もダメかと思ったけど。
オーロラが、私に生きる道を与えてくれた。
「今度は、俺が約束を果たす番だ」
怜司くんの顔に、熱が帯びていく。
脳裏を過ぎった、イービルと闘う直前で交わした約束。
『闘いが終わったら、伝えたいことがある』
私も、怜司くんに伝えたいことがあるの。