オーロラの歌
時間が止まったような錯覚に、囚われた。
夕日によって伸びた影に、期待が織り込まれていた。
「俺、お前のことが好きだ」
怜司くんの真っ直ぐな想いが心を揺らしたと同時に、涙が足元に落ちた。
体温が、上昇していく。
……私も。
前世から、ずっと。
ずっと、想っていた。
「私も、好きです。私を彼女にしてください」
私が赤く熟れた頬を緩ませると、怜司くんは照れくさそうにはにかんだ。
胸の奥が、甘く切なくなって。
嬉しくて泣いちゃって。
温かな愛が、降ってきた。
怜司くんが差し出した手に、自分の手を重ねた。
どちらともなく指を絡めて、並んで歩く。