オーロラの歌




「そこまでしなくていいから」


「でも……!」


「今日は寝よう。ほら、グリンなんか、もう寝てるぞ?」



家に戻ってくると、グリンがじいちゃんの横で眠っていた。


いつの間に寝たんだ、こいつ。



「ラジは寝ていいよ。私は、一晩中探すから!」


「オーロラ」



頑固なオーロラの額に、必殺のデコピンをお見舞いする。


痛そうに額を抑えるオーロラの目は、既に閉じかけている。


体は正直だな。


横になったら、すぐに寝そうじゃねぇか。



「無理すんなって」



俺が優しくそう言うと、オーロラは口を尖らせながら俯いた。


俺のために寝ずに動き続けて、明日ぶっ倒れちまったら、意味ねぇだろ?



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