オーロラの歌






――七年前。



俺がまだ、十歳だった頃。


両親がまだ、生きていた頃。




俺は、街では結構有名な


イタズラ好きの、どこにでもいる子どもだった。




『おいっ、ラジはいるか!?』



魔法学校は、初等部と中等部がある。


俺は、初等部の五年生だった。


俺の教室の扉を勢いよく開けたのは、この学校の校長先生。



『なんすかー?』



とぼけたように名乗り出れば、



『なんすか、じゃないだろう!!どうしてくれるんだっ』



校長先生は、今は授業中だというのに、自分の頭を指差しながら怒鳴り散らした。


校長先生が怒っているのは、おそらく、俺が仕掛けたイタズラが原因だろう。



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