オーロラの歌



そのイタズラというのは、校長先生のカツラを頭に直接ボンドでくっつけてやった、というしょうもないもの。


校長先生は、自分の髪がカツラだということを生徒に知られていないと思い込んでいるようだが、実際はその逆。


校長先生のカツラのことは、生徒全員が知っている。



俺は、カツラが本当に校長先生の髪になるように、接着してやったんだ。


感謝して欲しいぜ。



『似合ってますよ、校長先生!』


『今日こそ、反省してもらうぞ!?』



俺の心からの言葉を、校長先生は一刀両断。


校長先生は、俺が着ていた服の襟を掴むと、ズカズカと俺を校長室に連れて行く。



『ちょ、ちょっと、待ってくださいよ!今授業中っすよ?』


『そんなもん、関係ないわ!!』



校長先生がそんなこと言ってどうすんだよ……。


顔を真っ赤にして怒ってる校長先生に、これ以上言っても無駄なことは百も承知。


だから、俺は口をつぐんで、観念したように身を任せる。



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