純愛☆カルテット
近くにあった図書館のトイレで手を洗い店に戻ると、すでに何人か客が並んでいて、
紅子たちは何故かアイスクリームがたっぷり乗ったフロートを飲みながら作業をしていた。

「あ、希和おかえりー。聞いて!さっき浜安君がみんなにフロート買ってきてくれたんだよ!」

紅子が、修二と希和が買ってきたホイップクリームを絞りながら笑う。

「優しすぎるよねー」

「おいしいー」

「夏乃も希和が手洗いに行ってる間にやっと来たんだよ」

口々にみんなが嬉しそうな声をあげる。

テントの中の作業台の上にピンク、イエロー、ブルー、グリーン。それに乗っかったバニラ色。カラフルなフロートが4つ。

つまり。

「遅刻してごめんね。ここに置いとくから希和も食べて」

夏乃が恐らくメロン味のフロートを差し出した。

「ありがと、あとでもらうね。わたし何すればいいかな?」

希和は複雑な気分を抱え、命じられた作業に取り掛かった。

結局、希和の登板中に冬生は現れなかった。紅子によると、急にバイトが入ったそうだ。
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