純愛☆カルテット
「なんかね、ママとパパが人生経験になるから2年生になったら一人暮らししてもいいよって言ってくれたの」
1年生の時に、紅子が顔をほころばせてそう言っていたのを思い出す。
何度か遊びに行ったが、中二階のある広い部屋で、最後に行ったときには冬生とお揃いだという水色のテディベアがベッドの上に置いてあった。
(なんていうかうらやましいというか)
希和は歯を磨きながら鏡に映った自分を見る。
肩を超すくらいのセミロングのまっすぐな黒髪、ややつり目気味の末広二重。
決してとてつもない不細工というわけでもないが、鼻と口の間がやや広いせいでなんとなくしまりがない。
(冬生が紅子の顔に惚れたなら)
うがいをする。
(私の顔を気に入るわけがない!)
勢いよく水をはき捨て、部屋にもどり約束のプリントをカバンに押し込み、希和はベッドにもぐりこんだ。
1年生の時に、紅子が顔をほころばせてそう言っていたのを思い出す。
何度か遊びに行ったが、中二階のある広い部屋で、最後に行ったときには冬生とお揃いだという水色のテディベアがベッドの上に置いてあった。
(なんていうかうらやましいというか)
希和は歯を磨きながら鏡に映った自分を見る。
肩を超すくらいのセミロングのまっすぐな黒髪、ややつり目気味の末広二重。
決してとてつもない不細工というわけでもないが、鼻と口の間がやや広いせいでなんとなくしまりがない。
(冬生が紅子の顔に惚れたなら)
うがいをする。
(私の顔を気に入るわけがない!)
勢いよく水をはき捨て、部屋にもどり約束のプリントをカバンに押し込み、希和はベッドにもぐりこんだ。