純愛☆カルテット
「磯井さんは付き合ってる人いないの。」

「高2の時から付き合ってた人と大学1年の秋に別れてそれっきり。浜安君は?」

「大学はいってしばらくして別れた。距離が開くとダメだ。」

返す言葉が瞬時に思いつかない。

黙ってストローを噛む。よく母親に注意されるが、癖になってやめられない。

1年生の秋に、ファミレスで別れ話をしていた時も、飲んでいたココアフロートのストローの先をクタクタにしてしまった。

「磯井さんてさっきのイケメンのこと好きなの?」

「まさか。」

急に踏み込んだことを言われ、希和は戸惑った。

「部活が一緒ってだけだよ」

「表情」

修二が平べったい声で言う。

「さっきの磯井さんの表情般若を泣かせたような顔してた」
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