純愛☆カルテット
修二もやっぱり紅子に惹かれる男子の一人か。

「なに?紅子へのアプローチなら応援するよ」

希和は流れに任せて続ける。

「まあ、紅子は予備校時代にもイケメンと付き合ってたけど、そこまでかっこよくない人と浮気してたから」

「知り合いのそういうこと、ベラベラ話しちゃうんだ、磯井さんは。」

冷たい口調で修二に言われ、希和は言葉に詰まる。

「しかもその流れだと俺のことそこまでかっこよくないって盛大にディスっちゃう(※)んだ」

「違うよ!そう言う意味じゃ」

希和が慌てて否定すると、修二はケラケラ笑い出した。

「じょーだんだよ、あ、俺焼き鳥頼むけど磯井さんなんか食べる?」

さっきの液体窒素のような声とはうって変って、楽しそうに修二がメニュー表をめくる。

からかわれているような気がして、なんとなく恥ずかしくなり、希和は
勢いよくビールジョッキを傾けた。

「じゃあ、私レバーと砂肝。あのね浜安君、さっきの話は忘れてくれない?」



※disrespectの略、侮辱する、バカにするの意
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