純愛☆カルテット
紅子のふんわりした茶髪をみていると、希和は自分のストレートの黒髪が時々疎ましく思えてくる。
その疎ましさの原因が、彼女と同じように髪を染め、パーマを当てれば解決する問題ではないことが、余計に厄介だ。
(私が紅子と同じ容姿になったところであいつと付き合えるわけじゃない)
希和は身体を前に向け、赤血球やら白血球やらの写真が載った教科書をぱらぱらとめくった。
希和がこの大学に入学してから3年半。
高校の時から医療に携わる仕事がしたくて、地元の大学を選んだが、一度目の受験には失敗した。
樋本紅子とは浪人中に通っていた予備校でたまたま隣同士の積になって知り合った。
希和はすぐに人と仲良くなれる方ではないが、紅子が人懐っこい性格であるのと、
同じ医療関係の学部を目指しているということがわかってからはわりとスムーズに仲良くなった。
示し合わせたわけではないが、希和と紅子は同じ大学の同じ学部を志望し、見事にそろって合格したのだ。
その疎ましさの原因が、彼女と同じように髪を染め、パーマを当てれば解決する問題ではないことが、余計に厄介だ。
(私が紅子と同じ容姿になったところであいつと付き合えるわけじゃない)
希和は身体を前に向け、赤血球やら白血球やらの写真が載った教科書をぱらぱらとめくった。
希和がこの大学に入学してから3年半。
高校の時から医療に携わる仕事がしたくて、地元の大学を選んだが、一度目の受験には失敗した。
樋本紅子とは浪人中に通っていた予備校でたまたま隣同士の積になって知り合った。
希和はすぐに人と仲良くなれる方ではないが、紅子が人懐っこい性格であるのと、
同じ医療関係の学部を目指しているということがわかってからはわりとスムーズに仲良くなった。
示し合わせたわけではないが、希和と紅子は同じ大学の同じ学部を志望し、見事にそろって合格したのだ。