純愛☆カルテット
次の朝、学校に到着し、いつも通り最前列に座って教科書を眺めていると、紅子が話しかけてきた。

「おはよう希和」

「あ、紅子おはよう。昨日は冬生とのおうちデート楽しかった?」

「うん。幸せすぎたよー。」

紅子はとろけそうな笑顔で答える。こんな笑顔されたら冬生が惚れこんでしまうのもうなずける。

「ていうかさ、希和はあの後浜安君とどうしたの?」

紅子の問いかけに、

「え、希和って浜安君とデートしてたの?」

「え、マジ?ウケる」

女子の数人が反応する。

ウケるってなんだよ。ツッコミは心の中だけに留めておく。

「ちょとまって、デートとかそう言うんじゃないってば」

希和は修二がいつも座っているあたりの席を振り返って彼がまだ登校していないことを確認して否定した。

「普通にちょっと飲んだだけだよ」

すこし飲み交わしただけで調子に乗ってベラベラ周りに言いふらすような人間だと思われたくない。
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