新生児マス・スクリーニング―赤ちゃんの命を救う話を、ドクターから聞きました―


新生児マス・スクリーニングの導入自体は、1977年(昭和52年)だった。


でも、全部の都道府県で、生まれた赤ちゃん全員が、危険視される約20の疾患全部について検査を受けられるシステムが整ったのは、2014年(平成26年)だ。



2004年(平成16年)から2005年(平成17年)にかけて、タンデムマス法という検査方法がアメリカの新生児マス・スクリーニングで導入された。


日本での最初の導入は、2011年(平成23年)で、全国に普及したのがその3年後。



「タンデムマス法が導入される前は、6種類の疾患しか検査できなかった。導入後は、都道府県によって違いますけど、16から22の疾患について検査できるようになったんです」



「効率よく検査できる機械が発明されたってことですか?」



「んー、まあ、機械の発明というか、検査の手法の発見というか。とにかく、安く速く精密に検査できるようになったと思ってもらったらいいです。


ちなみに、タンデムマス法のもととなる技術を確立してノーベル化学賞を獲ったうちの1人は、日本人なんですよ」



「えっ、そうなんですか?」


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