新生児マス・スクリーニング―赤ちゃんの命を救う話を、ドクターから聞きました―
「アメリカの病院では普通、出産して2日で退院させられます。帝王切開をする場合でも4日ですね」
「日本では1週間くらい入院するイメージなんですけど」
「まあ、アメリカでは、麻酔を使っておかあさんのストレスを減らすのが一般的ですし、いろいろ違うんですよ。
で、赤ちゃんたちは生まれて2日後に、生まれた病院で採血をします。
この採血サンプルは、スクリーニングのための施設に集められて、ここで出た結果が、拠点病院と呼ばれる大きな病院に送られる。
僕は、その拠点病院のうちの1つに勤めています」
「そういうルートになってるなら、検査結果が出て陽性だった場合、採血のサンプルを送ってきた病院に連絡しても、もう赤ちゃんもおかあさんも退院した後なんですよね?」
「そうなんですよ。検査結果については、『ひょっとして陽性かも?』というレベルでも連絡することになっています。ひょっとしてレベルなら、出産した病院に連絡して、病院からおかあさんに連絡。
でも、『これは明らかに急を要する』という場合は、僕たちのほうから直接おかあさんに連絡します。が、これがもう大変で」
「おうちに連絡するの、大変なんですか?」