新生児マス・スクリーニング―赤ちゃんの命を救う話を、ドクターから聞きました―
「アドバイスって、具体的にどんなことをおっしゃるんですか?」
「簡単に言えば、食事療法の相談に乗るんですよ」
「食事、ですか?」
「代謝が起こるきっかけとして特に重要なのは、食事で栄養を体に入れることです。
Aというタンパク質に働く酵素を持っていない赤ちゃんがいるとします。だったら、その赤ちゃんは、Aを含むものを飲み食いしなければいい。
僕たちは、身の回りにある食品の何にAが含まれているか、代用食品として何があるか、赤ちゃんの親御さんに指導します」
「食べ物のルールさえ守れば、高アンモニア血症で大変なことになった赤ちゃんでも、普通に生活できるようになるんですか?」
「ええ、もちろん。例の土曜日の朝に運ばれてきた子は元気に大きくなってますよ。そろそろ小学校に入学するころだったかな。
赤ちゃんのころは、おかあさんのミルクが飲めない体質だったから、その子の病気に対応した特殊ミルクを病院から指定して、定期的に検査をしたり、何かと大変だったんですけどね」
小石川先生が勤めるようなアメリカの拠点病院には、あらゆる種類の代謝異常に対応する特殊ミルクが、常時保管されているらしい。
比較的メジャーな病気用のミルクなら、味もいくつかあって、赤ちゃんが好き嫌いをしても大丈夫なんだとか。