新生児マス・スクリーニング―赤ちゃんの命を救う話を、ドクターから聞きました―


「この傷ね、採血の痕なの。何か、赤ちゃん全員、この検査やるらしいよ。生まれつきの病気があったらお知らせが来るって言われて、微妙に怖かったんだけど、うちは大丈夫みたい」



「ふぅん。赤ちゃんが生まれつきの病気を持ってるかどうかって、最近は妊娠がわかった時点で検査するものなんじゃないの?」



「そのときも検査したけど、生まれてからじゃなきゃわからない病気もあるんだって」



「例えば、どんな病気?」



身を乗り出したら、呆れられた。



「あのね、妊産婦は忙しいんだよ?


体調面も精神面もこれまでとは全然違う上に、いろーんなことの説明を受けて、いーっぱい理解しなきゃいけないことがあって、さすがに全部は覚えてらんないの。


足の裏の採血の話も、とりあえずぼんやり知りましたって感じで」



「うん、なるほど」



「何かあればすぐ書き物のネタにしたがるマニアック体質のあんたが満足するほどの情報は、まったくもって持ち合わせてないんですー。


興味あるなら、自分で調べなよ。うちの子をネタにする場合は、幸せいっぱいの家族物語にしなさい」


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