その先の光
ー side伊月 ー
「ハァ…ハァ…ハァ…」
俺の目の前で苦しそうにしている女…
診療所の新しい医者。
こいつも同じ奴だと思った。
俺の用紙に興味本位で近寄ってくる奴。
それが嫌なんだ…
最初、こいつも俺の目を綺麗だと言った。
それが嫌で…少しだけ期待していた俺が
馬鹿だったんだ。
でも、その日の夜…女は星空を見上げながら、考えてるようだった。
俺はその姿を美しいと思った。
風に靡く漆黒の髪…その横顔…
だから…少しだけ話しかけてみた。