その先の光
「す、すみません…道がわからなくて」
「んだと思って、伊月行かせたんですよ」
私はその言葉に首を傾げた。
私がとった行動にも不思議に思った
2人は同じように首を傾げた。
「道案内って・・・あの人が?」
私が前に行った男を指さすと、
2人は同時に首を縦に振り、
男の方を向いた。
「私・・・おいてかれそうになったんですが」
「な!?伊月!道案内しろ頼んだやないか!」
若い方の人が伊月と呼ばれる人の
近くに寄っていくと、容赦なく、
頭に拳骨を入れていた。
「しらねぇよ…付いてきたんだからいいだろ」
そう言う問題じゃないっての…
あんたが置いてってあのまま
だったら、また迷ってたっての!
「チッ、」
舌打ちの音だけが残り、
あの男はそのままどこかに行ってしまった。
なんで、あんなに迷惑がられないといけないわけ?!
てか、何様なのよ!
「堪忍な?いつもあぁなんよ」
そう言ってきたのは、優しそうな
雰囲気のお婆さんだった。