その先の光
「幸運なんて…一生ない」
「なら、私が貴方に教えます」
「…変な奴だ」
去っていく男の背中を見ながら
私は今までの感情が消えていくのを
感じていた。
人の前でニコニコしているのには
馴れてるつもりなんだけど…
どうもあの人の前だと崩れそうになる。
気を許せるようには見えないけどな…
私も人には言えないよね?
こんな容姿なんて…
私は自分のことを嘲笑いながら、
カツラとコンタクトをとった。
生まれつきのこの容姿…
父も私と同じ容姿だと聞いたことがある。
そのせいで死にかけたこともあるとか…
紺髪に白眼…
これを見せると目が見えてない人と
間違えられるから嫌だ…
でも、容姿が嫌いなわけがない
唯一大好きな両親との繋がりだから…
私にできることがあるかな?
母さん…父さん…
ちゃんと私のことを見ていてくれてますか