闇に咲く華
でも大牙とは友達なんだから、代わりに言っておいてくれてもいいんじゃないの?
「でも大牙って、嘘ばっかで、まともに聞いてくれそうにないから」
「知るかよ、本気で嫌なら聞くまで言えばいいだろ」
「まあ……そうだけど」
確かにその通りでもあるけれど、こういう場合「わかった、言っておく」的に話を合わせてくれてもいいんじゃないの?
そう思っていると、私の方をチラッと見た白玖が視線を前へと戻した。
「簡単に預けんな」
簡単に預ける?
それってどういう意味……。
「自分の言葉を人に預けて、まともに伝わるわけねえだろ」
奇抜な髪色をした、隣の隣に住む不良は、当たり前のことを改めて私に教えてくれた。