闇に咲く華


確かに不良だし、目立ちはするけれど、だからといって何があるわけでもない。


周りの生徒に威圧的な態度を取るわけでもなく、どちらかと言えば優しい不良というように捉えられているように見える。


少し外見が周りの生徒より派手ってだけで、本人達はいたって普通だと思う。


それはこの2ヶ月の間で、私自身が感じていること。


正直なことを言うと、こういうタイプの不良は今まであまり知らなかった。


不良と言えば、もっと誰からも恐れられていて、軽々しく話かけることも出来ない、というイメージだったから。


だけど、白玖たちにそんな雰囲気はまったくない。


これって、ある意味、とても静かな学校生活を送れているんじゃないかと思えた。


「私、ちょっと……」


コンビニから学校へと戻り、屋上へ行くため階段を上がっている途中そう言って、教室のある階で足を止める。


「ああ。トイレな。んじゃ、先行ってる」


大牙が訳知り顔で頷く。


いや、トイレじゃないから。


それに先に行ってるなんて言い方されると、いよいよ一緒に行動しているみたいに思えてくる。

< 38 / 67 >

この作品をシェア

pagetop