闇に咲く華


まあ、ちょっととか、わざわざ言ってる時点で、私もじゅうぶんその流れで動いてる気もするけど。


正直なところ、ひとりでお弁当を食べていた小池さんに声をかけようと思っていた。


もしかすると、こういうことはしない方がいいのかもしれない。


私だって、もともとはひとりでいいと思っていた人間だし、そんな私が声をかけるのもなんだか違う気がするし。


……でも、どうせあの3人と嫌でも一緒なら、もうひとりくらい増えてもいいんじゃないかと思う。


断られたら、それはそれでいいんだし。


教室に戻ると、お弁当を食べ始めていた小池さんが私に気付き顔を上げた。


「松井さん。どうしたの?」


「あの……さ」


「うん」


「もし、よかったらだけど……一緒に食べない?」


「え?」


「嫌ならいいの。ひとりがよければ……」


私がそう言うと、今日もお団子くくりの小池さんがクスッと笑った。


「そんなこと思うの、松井さんだけだよ」


まあ、そう言われてみれば……。


でも、それならどうしてひとりで食べているのか気になる。

< 39 / 67 >

この作品をシェア

pagetop