闇に咲く華


そのことを聞いてもいいのか迷っていると、私の考えていることがわかったのか、小池さんが苦笑いを見せた。


「実は、仲良かった子が転校したの。ほらここ、3年間クラス替えないし、もうグループが出来ちゃってて……今さら、入りにくくて」


「そうだったんだ」


そういうことだったんだと、納得していると……。


「でも、いいの?」


小池さんが聞いてくるから、頷く。


「うん。小池さんが嫌じゃなければ」


「真緒でいいよ」


そう言った真緒ちゃんが、嬉しそうに笑ってくれる。


「じゃあ真緒ちゃん。ここで食べる? それとも屋上で……って言っても、屋上だと大牙とかいてうるさいんだけど」


私はどっちでもいいんだし。


そう思っていると、食べかけのお弁当の蓋を閉める真緒ちゃんが私を見上げた。


「屋上、行ってみたい」


だったらそうしようと、私たちは片付けたお弁当を持って教室を出た。


「松井さん、満島君たちと仲良いみたいだね」


屋上へ向かう階段で、真緒ちゃんにそんなことを言われる。

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