初恋は鉄の味
あなたは来るだろうか
「同窓会かぁ……」
20年ぶり、高校の同窓会の案内状。
それを朋子は見つめてはゴミ箱の前へ行き、もう一度読み直してはゴミ箱の前へを、もう何回も繰り返している。
「お母さん、そんなに行きたいなら行けばいいのに」。
笑いながら少し呆れたように眉を下げてみくが言う。
でもこれは夜だし、行けばみくの夜ごはんだって……と言い訳を並べる朋子に、みくが最後のダメ押し。
「私だってもう17だよ?自分のごはんくらいなんとかできるよ。それにお母さんだって久しぶりに友だちとオシャレしてお酒も飲みたいでしょ?」
朋子はそんな娘の気遣いに背中を押され、参加に丸をしてハガキを返送した。
ハガキをポストに入れるだけなのに、なぜこんなに胸が高鳴るのか、その理由を知っているのにわからないふりをして自分をごまかしながら。
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