金曜日、21時9分発のバスで
「いるもんね~、小春には。彼氏候補」


危うく数秒前に口に含んだお茶を吹き出してしまうところだった。

そっとにらみつけるとクスクスと笑う美咲。


「何それ…彼氏候補って」


「航平先輩だよ!あんたよく遊びとか誘われてるじゃん、イケメンだし優しいし、ほんと小春羨ましいよー!!」


「三野先輩?べつにただのサークルの先輩ってだけで…」


「またまたぁ、照れちゃってー!」


このモードに入った美咲は止められない。誰も飲ませていないのにお酒でも入ったかのような感じだ。
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