ハッシュハッシュ・イレイザー
序章 秘密の話し合い
青い夜の日は決まって月が白く冷たく輝く。
真珠のように美しく、いや、月の輝きの方が簡単に手に入れられないだけもっと高貴で美しい。
透明で冷ややかな淡い光はまっすぐに心に届いて突き刺すよう。
暗くなればなるほど、それはただ輝く。
どんなに手をかざしても決して熱くはならない。
さらさらとした煌めく白い粉のように、どこまでも手から零れ落ちる。
私はそれをよく知っている。
誰よりも詳しく──
この月の光は誰のもの。
それを見つめているのは私だけじゃない。
私はそれを知ってても何も言えない。
冷たい月の光のシャワー。
私は一人の傍観者のように、それを味わう。
傍で誰かが私を見ているとわかっていながら……
「呑気でいられるもんだ」
思った通り、頭上から声が響いた。
だけど私は無視をする。
「俺が声を掛けても、びくともしない。余程の強者だなお前は」
バサバサとした音と共に、風が私の髪をなびかせ、それが地上に降りてきた。
彼の背中の黒い翼が、月の光で怪しく艶を帯びていた。
鋭い猛禽のような目つき、だがそれは力強くて美しく、見るものを魅了する。
完璧に整った麗しい容姿で、私を優しく見ていた。
真珠のように美しく、いや、月の輝きの方が簡単に手に入れられないだけもっと高貴で美しい。
透明で冷ややかな淡い光はまっすぐに心に届いて突き刺すよう。
暗くなればなるほど、それはただ輝く。
どんなに手をかざしても決して熱くはならない。
さらさらとした煌めく白い粉のように、どこまでも手から零れ落ちる。
私はそれをよく知っている。
誰よりも詳しく──
この月の光は誰のもの。
それを見つめているのは私だけじゃない。
私はそれを知ってても何も言えない。
冷たい月の光のシャワー。
私は一人の傍観者のように、それを味わう。
傍で誰かが私を見ているとわかっていながら……
「呑気でいられるもんだ」
思った通り、頭上から声が響いた。
だけど私は無視をする。
「俺が声を掛けても、びくともしない。余程の強者だなお前は」
バサバサとした音と共に、風が私の髪をなびかせ、それが地上に降りてきた。
彼の背中の黒い翼が、月の光で怪しく艶を帯びていた。
鋭い猛禽のような目つき、だがそれは力強くて美しく、見るものを魅了する。
完璧に整った麗しい容姿で、私を優しく見ていた。