ハッシュハッシュ・イレイザー
 いじめのターゲットに扱われる、安っぽくみられる存在。

 学校がある限り、クラス分けされる限り、気の強い悪意を持った人間がいる限り、それはどうしようもない、人間の醜さがそこに芽生える。

 それを紫絵里は機敏に感じていた。

「私といると真理が悪く思われちゃうかも」

 紫絵里が心配して、真理を気遣う。

 紫絵里は弱い立場に身を置くけども、勇気がある芯の強さを持っていた。

 相手が嫌なことをしてきたら、はっきりとやめてと言っては、相手を睨むような子だった。

 聞こえは良いように思えるが、裏を返せば頑固に固執する性格。

 だから、余計に反感を買いやすいところがあった。

 真理はまだ何も言い返さず、ひたすら黙ってるだけのでくの坊。

 でも強い者がいれば、それに巻かれて柔軟についていける知恵は持っていた。

 だから、同じ消極的なタイプでも紫絵里と違って全く相手にされずに、受け流される。

 それがいいか悪いかわからないが、気弱なものにはいじめに繋がらなければ、それでいい。
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