ハッシュハッシュ・イレイザー
終章 白いバラを捧げる意味
1
「今回も上手く行ったわね、ハイド。マリアとの久しぶりの逢瀬はどうだった?」
月夜の晩、私は淡々と訊いた。
「何もかも見て知ってるくせに、ナナは意地悪だな。そして、その目顔でしれっと訊かれるのは辛い」
「別に意地悪してるわけじゃないわ。言ったでしょ、私はただ傍観してるだけ、そこになんの感情も込めないの。ただの挨拶程度にしか過ぎない」
「そうだな。ナナに何も期待しても仕方がない。俺に気がないナナだから、君とこうやって一緒にいられる」
「そうね。一番愛するマリアは、あなたとは長く一緒に居られない。真理はいつもあなた以外の誰かを好きにならないといけない。そして私は全く関係のない空気みたいな存在」
「上手く機能してるもんだ」
ハイドは笑うも、目に悲しさが込められていた。
「でもマリアに会えてよかったじゃない。例えそれが一瞬のことであっても」
「その一瞬もいつまで続くのか、わかったものじゃないが、これで最後になるかもしれない」
「まだわからないわよ」
「今回も上手く行ったわね、ハイド。マリアとの久しぶりの逢瀬はどうだった?」
月夜の晩、私は淡々と訊いた。
「何もかも見て知ってるくせに、ナナは意地悪だな。そして、その目顔でしれっと訊かれるのは辛い」
「別に意地悪してるわけじゃないわ。言ったでしょ、私はただ傍観してるだけ、そこになんの感情も込めないの。ただの挨拶程度にしか過ぎない」
「そうだな。ナナに何も期待しても仕方がない。俺に気がないナナだから、君とこうやって一緒にいられる」
「そうね。一番愛するマリアは、あなたとは長く一緒に居られない。真理はいつもあなた以外の誰かを好きにならないといけない。そして私は全く関係のない空気みたいな存在」
「上手く機能してるもんだ」
ハイドは笑うも、目に悲しさが込められていた。
「でもマリアに会えてよかったじゃない。例えそれが一瞬のことであっても」
「その一瞬もいつまで続くのか、わかったものじゃないが、これで最後になるかもしれない」
「まだわからないわよ」