ハッシュハッシュ・イレイザー
紫絵里が普段から一人で過ごして、いつもぶつぶつと独り言を呟いている姿をクラスの者が常に見ていたからだった。
そこに真理が居ることを皆知らなかった。
見えてなかったのだ。
見ることができた紫絵里と優介だけが真理をクラスメートとの一人だと思っていた。
しかし、途中から瑠依が真理の存在に気が付きだした。
ちょうど心が弱り、物事を見つめ直そうとしていた時に、真理が見えだした。
しかし、それを口に出すのが躊躇われ、その背景に紫絵里が皆からおかしい人と思われていたから、自分もその類だと思われるのが嫌だった。
だから、紫絵里がマリアと路上で話していた時、皆はまた独り言を呟いていると思っていたが、瑠依にはその様子が見えていたので、気になって紫絵里を追ったという事だった。
紫絵里の傍に真理が居た事実。
それを言ったところで、誰にも見えなかった人物を証明できるわけもなく、瑠依もまた三角関係のもつれから狂いだしたと揶揄されるのが怖かった。
それ以来、瑠依はこの出来事については口を閉ざし続けた。
自分を守りたい、自分は何も見なかった、そして何も知らない。
火の粉が飛んでこないように、瑠依は自分が優介を好きだったことも忘れようとしていた。
そこに真理が居ることを皆知らなかった。
見えてなかったのだ。
見ることができた紫絵里と優介だけが真理をクラスメートとの一人だと思っていた。
しかし、途中から瑠依が真理の存在に気が付きだした。
ちょうど心が弱り、物事を見つめ直そうとしていた時に、真理が見えだした。
しかし、それを口に出すのが躊躇われ、その背景に紫絵里が皆からおかしい人と思われていたから、自分もその類だと思われるのが嫌だった。
だから、紫絵里がマリアと路上で話していた時、皆はまた独り言を呟いていると思っていたが、瑠依にはその様子が見えていたので、気になって紫絵里を追ったという事だった。
紫絵里の傍に真理が居た事実。
それを言ったところで、誰にも見えなかった人物を証明できるわけもなく、瑠依もまた三角関係のもつれから狂いだしたと揶揄されるのが怖かった。
それ以来、瑠依はこの出来事については口を閉ざし続けた。
自分を守りたい、自分は何も見なかった、そして何も知らない。
火の粉が飛んでこないように、瑠依は自分が優介を好きだったことも忘れようとしていた。