ハッシュハッシュ・イレイザー
「本当はどっちも好きだから、辛いのよね。そしてその真理が恋をした。応援すれば、心の片隅で矛盾を感じる。まるでマリアが他の男に取られるみたいで」

「ナナは容赦がないな。俺の痛い所をついてくる」

「当たり前よ。私はあなたたちとはなんの関係もないんだから」

「だけど、しっかりと俺を助けてくれる存在にはなってる」

「そう思うのはあなたの自由よ。まさか、私にまで気があるの?」

「そうだと言ったら、俺は浮気者になるのか?」

「言っとくけど、私はあなたに興味はないわ。あなたの事が好きでたまらないのは、マリア、ただ一人。あなたに恋焦がれてるわ」

「それじゃ俺はマリアに会えるのを楽しみにしておくしかない」

「ええ、その日は近いと思うわ」

「じゃあ、これを渡しておくか」

 ハイドは私に白い塊を手渡した。

 それはざらついてごつごつしているが、美しいパールの光沢を帯びていた。
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