ハッシュハッシュ・イレイザー
 マリアがずっと殻に閉じこもって、自由に外に出歩きたくないからこそ、都合のいい私だけが隠れて真理を見ていられる。

 鈍感な真理は、私がそんなことをしているって知らないのが少し笑える。

 でも誤解しないでほしい。

 私は真理が大好き。
 そしてマリアの事も。

 だから幸せを願ってやまないくらい。

 そしてハイド。

 彼がかかわるとややこしくなってくるけども、でも私は私のできることをしっかりしようと思う。

 だから私がこの恋について語ろう。

 ねじれていても、そこには強い愛があるから、それは意味を成す。

 その愛のために時には残忍に、そして美しく。

 犠牲があればこそ、一際強い光に包まれて、そして涙が頬を伝わる。

 それが当たり前のように、君を愛するが故、仕方のない事。

 その一瞬の愛のためなら、全ては許され、過ぎてしまえば、次第に時が忘れさせてくれる。

 だから涙を流して償い、そしてそのあともまた次の涙がそこを同じように流れる。
< 6 / 185 >

この作品をシェア

pagetop