ハッシュハッシュ・イレイザー
「まあ、優介が心入れ替えて変わったんだったら、それに越したことはないし、優介も変わるほどあんたに魅力を感じたのかもしれない。別に邪魔をするつもりはなかったんだ。気に障ったらごめん」

「ううん、別にそんな事ないし」

 見かけの割には、中々腹を割って話せるタイプに、紫絵里は感心していた。

 見かけは普通でも瑠依のような陰険なタイプよりはよほど好感が持てるほどだった。

 話したい事だけ話すと、その派手な女子高生は友達とどこかへ行った。

 紫絵里と真理も、いつまでも突っ立っているわけにもいかず、集合場所へと向かった。

 相変わらず空は垂れ込めた雲に覆われたまま、どんよりとしていた。

 全てが曖昧で、よくわからない中途半端な気持ちを代弁するかのような空模様と一緒に、紫絵里も困惑していた。
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