健診診断と恋と嘘
そこまでして、はあっと息を吐いた私の瞳からぼろぼろとまた涙が零れた。
ああ、これで本当に終わってしまった。
もうすぐ終わりにしなきゃと思ってたくせに、いざこうなってしまったら悲しくて仕方がない。
こうなってしまった元凶である章のことを恨むけど、一番悪いのは私だ。
嘘をついて、小塚さんを騙してた私が悪い。
小塚さんの傷ついた顔を思い出して、また胸が痛んでぼたぼたと涙が溢れ落ちる。
こんな風に泣く権利なんてないと思うけど、そう思えば思うほど涙は止まらなくなっていく。
きっと私に幸せになる権利なんてないんだ。
だって私は、章の言う通り人殺しなんだもの。
「……お母さん」
写真でしか見たことのないお母さんの姿を思い浮かべて、私は泣き崩れた。