健診診断と恋と嘘

涙と実験

小塚さんとの関係が終わってから、二週間が経った。


よく時が忘れさせてくれる何て言うけど、二週間やそこらじゃ全然忘れられるわけもなくて私はほぼ毎日泣いている。


まるで章と付き合っていた頃のようだ。


いつもひどいこと言われて泣いてたっけな。


本当に何であんな男と付き合ってたんだろうと思うけど、ちゃんと好きだったこともあった。


じゃあ、小塚さんの事で泣いてるのは……何でなんだろう。


こんなに苦しいのは、何でなんだろう。


そう思うけど、私はいつもそこで考えることを放棄する。


唯一、仕事をしてる時だけは小塚さんの事を考えなくていいから忙しいのがありがたいくらいなんだけど、そんな私をすごく心配してくれるかわいい人達が約三名。


「もう、弓野さん。痛々しくて見てられないんですけど、もう一回ちゃんと話した方がいいんじゃないですか?」


仕事帰りの帰り道にかえちゃんに心配そうにそう言われて私は困ったように眉を下げた。