健診診断と恋と嘘

いいな、きっとこの子は高倉さんと旦那さんに愛されてるんだろうな。


お母さんは私の事をどんな思いで産んだんだろう。


お母さんの命を奪ってしまった私の事を、恨んでいないだろうか。


「高倉さんはほのかちゃんを産んだ時、嬉しかったですか?」


そう聞くとちょっと目を見開いた高倉さんが、優しい笑顔を浮かべる。


「うん。嬉しかったし、産まれてきてくれて、私達の所に来てくれてありがとうって思ったよ」


そうなんだ。いいな、私もそういう風に産まれてきたかったな。


ボロボロと涙を溢す私を高倉さんと結城さんとかえちゃんが心配そうに見つめている。


この三人にならお母さんの事、話してもいいかな。


お母さんとのことを私から話したのは、章が初めてだった。


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