健診診断と恋と嘘

「女って、そういうものよね。
男の人は分からないけど、どんなに小さくても命がお腹に宿ったその瞬間からもう母親なの。
私も自分の命とほのかだったらほのかを選ぶもの。
だから弓野ちゃんのお母さんもきっとそうだったと思うの」


そうかな、そうだったのかな。私は、ちゃんと望まれて産まれてきたのかな。


お母さんは、私がお腹に宿った時嬉しかったのかな。


「それに私は弓野ちゃんに出会えてよかったと思ってるよ」


高倉さんのその言葉に、結城さんも頷く。


「私も、思ってます」


続いてかえちゃんも何回も頷いて私の背中を撫でる。


「私も、弓野さんと同期でよかったし心強いです」


「あいー」


それに賛同するようにほのかちゃんも声をあげて、涙だ止まらなくなる。


ああ、私、きっと誰かにそう言ってほしかったんだ。産まれてきてよかったんだよって、言ってほしかった。
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