健診診断と恋と嘘

そうだよね、分かってた。私……小塚さんの事が好きだ。
もう認めるしかない。


キスをして気持ち良かったのも、好きだからだ。


抱きしめられて涙が止まるのも、イケメンだからじゃなくて……小塚さんだからなんだ。


火遊びだと思ってる小塚さんが本当の事を知ったらもう会ってくれないんじゃないかと思って、本当の事が言えなかった。


何でもいいから、小塚さんに会いたかった。


朔ちゃんて、私の好きなあの声で名前を呼んでほしかった。


「弓野ちゃんは幸せになっちゃいけないって思ってたから、自分の気持ちに気付かない振りしてたんだね」


そうだ。結婚してるって嘘ついたのはなりゆきだったけど、私、好きにならないように自分にブレーキかけてたのかも。


章との恋愛にすごく傷ついて、やっぱり私は幸せな恋愛はできないんだと思った。


そんな権利は、ないんだと思ってた。


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