健診診断と恋と嘘

高倉さんの旦那さんと話す小塚さんの低い声が聞こえて、本当に小塚さんが来たんだと確信した私は私はつい近くにいた大きい結城さんの旦那さんの陰に隠れた。


「あ、こら。弓野ちゃん」


高倉さんに咎めるようにそう言われるけど、やっぱり顔見るの怖い。めちゃくちゃ怖い。


「うわ、マジでかっこいい。結城さん並みだし」


平根くんがそう言っているのを聞いてぎゅっと身体を縮める。


ああ、もういっそ小人になってここから逃げ出したい。


未来から来た猫型ロボットが小さくなれるライトとか出してくれないかな。


「ちょっと何で俺に……うわ、めっちゃ機嫌悪いじゃん。ご無沙汰してます。小塚課長、相変わらず若いですね」

「そりゃ、な。機嫌悪くもなるだろう。結城は大分落ち着いたみたいだな。生意気に、結婚したからか」


う、わ。小塚さんの声だ。すぐそこにいる小塚さんの声に、苦しいくらいに心臓の音が速くなる。


うう、吐いちゃいそう。絶対、今、血圧急上昇してる。


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