健診診断と恋と嘘
外に出てすぐにぎゅうっと私を抱きしめた小塚さんが深いため息をついた。
その顔を見上げると、眉間にシワを寄せて私の事を見下ろしていてビクッと身体が震える。
か、顔が怖い。やっぱり怒ってるよね。
「お、怒ってますか?」
そう聞いた私に、眉間のシワをほどいてもう一度深いため息をついた小塚さんが頷く。
「怒ってたし、色々言いたい事もあったんだけど……何でかな。会えたら全部吹っ飛んだな。怯えた顔もかわいいしと思っちゃうし、これが惚れた弱味ってやつなのかな」
そう言って眉を下げた小塚さんが、私の額にコツンと額をくっつける。
「でも、怒ってるから。とりあえず車に乗って。話は俺の家に行ってからね」
そう言われて小塚さんが車のドアを開けて、私を乗るように促す。
往生際の悪い私はここまで来ても躊躇してしまって、そんな私に小塚さんはまた眉間にシワを寄せて腕を掴む。