健診診断と恋と嘘

そんな事を考えていると小塚さんの笑い声が聞こえてはっと顔を上げる。


いつの間にか車は停まっていて、小塚さんが私の事を見て低い声を漏らして笑っている。


「朔ちゃんて本当に素直だよね。気付いてないんだろうけどすごい顔に出てるよ。百面相してて、かわいい」


高倉さん達にも言われたけど私、もしかして小塚さんの前でも感情だだ漏れなの?


それってとてつもなく恥ずかしいんですが。


「まあ、話はゆっくり俺の家で聞かせてもらおうかな。明日は土曜日で休みだし。時間はたっぷりあるからね。行こうか」


不敵な笑みを浮かべて私を見た小塚さんが車を降りる。


それを見て私も車を降りるけど、やっぱり怖いと思ってしまう。


自分の気持ちを伝えるのも怖いし、怒ってるっていう小塚さんも怖いし、拒絶されるのも怖い。


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