健診診断と恋と嘘

「さ、最初は……適当にはぐらかそうと思っただけです。まさか小塚さんとこういう感じになると思ってなかったので」


「ふうん。でも、後で否定することはできたよね。それをしなかったのは何で?」


小塚さんがそう言って私との距離をつめてくる。


思わず仰け反ってしまう私の身体の横に手をついて間近で顔を覗きこまれて恥ずかしくなって視線をそらす。


「そ、れは……小塚さんが私と会ってくれてたのは、私を人妻だと思ってるからだと思ってて……」


そう言った私に目を見開いた小塚さんが脱力したように私の肩に頭を乗せる。


ち、近いし。小塚さんの頭が乗った肩が熱をもち始めてそれが全身に広がっていってかあっと身体が熱くなる。


「あー……そうなんだ。確かに俺、朔ちゃんにそう思われてもおかしくない発言してたな。それは、ごめん」


小塚さんに謝られて私ははっとする。


私、まだ小塚さんに嘘ついてた事謝ってない。


小塚さんが謝ることじゃないのに、悪いのは私なのに。早く謝らないと。


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