健診診断と恋と嘘
見つけた居場所
「りょ、りょりょ、りょう……へ……」
「はい、全然ダメ。やり直し」
ご飯も食べて、小塚さんの服を借りてお風呂にも入って今はベッドの上に座って小塚さんの名前を呼ぶ練習をしている。
小塚さんは凌平っていう名前で彼女になったんだから名前で呼んでって言われて凌平さんて、さん付けで呼んだら即却下されてしまった。
「りょ、へ……い」
「ダメ。ちゃんと呼べるようになるまで頑張って」
そう言って私の事を後ろから抱きしめながら小塚さんは書類を見てベッドの上に置いてあるノートパソコンに何か打ち込んでる。
自分でワーカーホリックぎみって言ってたけど本当だな。家でもこうやって仕事してるんだ。
「りょ、凌ちゃん」
やっぱり呼び捨ては厳しくてそう呼ぶと、パソコンに手を伸ばした小塚さんの手がピタッと止まる。