健診診断と恋と嘘
「お返し。ほら、もう寝よう。俺、朔夜の寝かしつけは完璧だから。ここが好きでしょ?」
そう言って凌ちゃんが私の寝るときのベストポジションの体勢になってくれる。
凌ちゃんの左側の胸に頭が少し乗るくらいの体勢が好きでこうすると凌ちゃんの心臓の音が聞こえて何だかすごく安心できる。
赤ちゃんと同じだよね、これ。
お腹にいた時の音と同じだから心臓の音を聞くと安心するっていう。
これに優しく髪を撫でられたりなんかしたらもう秒殺だ。
「あー、もう……かわいすぎだろ。ヤバイなほんと。もう少し、頑張ろう」
ものの数分で眠りに落ちた私の耳に、ため息混じりにそう呟いた凌ちゃんの声が聞こえた気がした。