健診診断と恋と嘘
普段働きすぎなぐらい働いてる人だし、家でも仕事してる時あるもんね。
「凌ちゃん、まさかお仕事持ってきてないよね?」
ついそんな事を疑ってしまう私に凌ちゃんは苦笑いをする。
「さすがに持ってきてないよ。せっかくの朔夜との旅行だからね、思いっきり羽伸ばすつもり」
そう聞いてちょっとホッとする。
よかった、ここにも仕事持ってきてたらどうしようかと思った。
朝ゆっくりめに出たとはいえ、ずっと運転してもらってたし疲れたよね。
「凌ちゃん、温泉に入ってきたら? 運転で疲れたでしょ」
来るときに少しだけ観光して来たし、今日はもうどこにも行かないつもりだからゆっくりしてもらおうと思ってそう言うと凌ちゃんがニヤッと笑って私のことを引き寄せる。
「朔夜も一緒に入る?」
間近で顔を覗きこまれてそんな事を言われて、私今、顔真っ赤だと思う。